🎙️ 経営者の発信術

話すのが苦手な経営者のための「インタビューされ方」入門

「取材を受けてほしい」「Podcastで話してほしい」と言われて、真っ先に浮かぶのが**「うまく話せる気がしない」**という不安──この記事は、そういう経営者のための「受け手側」の入門です。

先に安心材料をひとつ。インタビューは「上手に話す場」ではありません。質問に答える場です。ゼロから語る必要がなく、聞き手が順番も深掘りも設計してくれる。実は「話すことがない」「話すのが苦手」という人にこそ向いた形式です(この点を指摘する論考もあります)。そのうえで、少しの準備とコツで聞きやすさは大きく変わります。

準備編 ── やることは2つだけ

① 伝えたいことを「1つ」に絞る

広報の実務ガイドでも、取材前の準備としてまず挙がるのが「伝えたいメッセージを絞る」ことです(PR TIMES MAGAZINE)。あれもこれも話そうとすると、全部が薄まります。「今日はこれが伝われば成功」という一点を決めておくと、話が散らかっても戻る場所ができます。

② 原稿ではなく「箇条書きメモ」を用意する

ここが最大の落とし穴です。不安な人ほど完全原稿を書きたくなりますが、暗記した言葉は棒読みになり、かえって不自然に聞こえます広報ノウハウ解説)。Podcast配信の実践者たちも、完全原稿より箇条書きメモを勧めています(かねりん氏のnote)。用意するのは「話したいエピソードの見出し」程度。言葉はその場で、会話として出すほうが伝わります。

本番編 ── 4つのコツ

  1. **「取材」ではなく「会話」だと考える。**記者やインタビュアーと雑談しているつもりで話すと、声のトーンが自然になります。かしこまるほど硬くなります。
  2. 結論から、短い文で。「結論→理由→エピソード」の順で、一文を短く切る。長い一文を接続詞でつなぎ続けると、聞き手は迷子になります。
  3. 数字と固有名詞を1つ入れる。「昔、大変だった」より「創業3年目に、月商が半分になった」。具体が1つあるだけで、話は一気に本物になります。
  4. **言い直していい、と最初に決める。**収録なら沈黙も言い間違いも編集で消せます。「録り直し可能」を前提にすると、緊張は半分になります。

よくある失敗パターン

  • 暗記棒読み: 原稿を読み上げてしまい、人柄が消える。→ メモは見出しだけにする
  • 一問長答: 1つの質問に5分話し続ける。→ 短く答えて、深掘りは聞き手に任せる
  • 専門用語の連発: 業界では常識でも、聞き手には外国語。→ 中学生に話すつもりの語彙で
  • 謙遜しすぎ: 「大した話ではないですが」を連発すると、本当に大した話に聞こえなくなる。→ 謙遜は最初の一回だけ

慣れの話 ── 収録は「言葉の筋トレ」

うまく話せるようになる最短の道は、テクニックではなく回数です。自分の声を聞き返すと、話す速さや口癖が客観視でき、回を重ねるごとに整っていきます。700回以上配信を続けるPodcast実践者は、これを「言葉の筋トレ」と表現しています。

だからこそ、最初の数回は出来を評価しないこと。「月1回、質問に答える」を淡々と続けるうちに、話すことは技術ではなく習慣になります。

まとめ

  • インタビューは「上手に話す場」ではなく「質問に答える場」。苦手な人にこそ向いている
  • 準備は「伝えたいこと1つ+箇条書きメモ」まで。完全原稿と暗記は逆効果
  • 結論から短く、具体を1つ。言い直しOKを前提に
  • 上達は回数。月1回の収録が言葉の筋トレになる

それでも「隣に聞き上手がいてくれたら」と思う方のために、私たちのサービス VoicePress の収録には、リアルタイムで「次はこの話を」「もう少し詳しく」と提案するAIコーチが付いています(毎月の質問も運営が用意するので、白紙から話す場面がありません)。この形式で作られた経営者連載の実例は「Shikisai」で聴けます。話すのが苦手だった代表自身の連載「ウェブリカラジオ」も、この仕組みで収録しています。

よくある質問

Q. 話す内容を全部原稿にして暗記してはだめですか?

おすすめしません。暗記した言葉は棒読みになり、かえって不自然に聞こえます。用意するのは「伝えたいこと1つ+話したいエピソードの箇条書きメモ」まで。あとは質問に会話として答えるほうが、聞き手に伝わる話になります。

Q. 沈黙してしまったり、言い間違えたりが怖いです。

生放送でない限り、沈黙も言い直しも編集で消せます。収録では「言い直してもいい」と最初に決めておくだけで緊張は大きく下がります。むしろ言い直せる前提で、途中で立ち止まって考えるくらいが自然な語りになります。

Q. 何回くらいで慣れますか?

個人差はありますが、収録は回数を重ねるほど慣れていきます。自分の声を聞き返すと話し方の癖が客観視でき、定期的な収録は「言葉の筋トレ」として機能します。最初の数回は出来を評価しないと決めて始めるのがコツです。

VOICEPRESS

月1回、話すだけで、これが全部自動になります。

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